脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症(高脂血症)とは
脂質異常症とは、血液中に含まれるコレステロールや中性脂肪が高い状態のことです。
脂質異常症では自覚症状は認めませんが、そのまま放置しますと動脈硬化が進行し、
脳梗塞や心筋梗塞等を引き起こします。
脂質異常症の診断
空腹時(10時間以上の絶食、お茶や水は可)の血液検査で
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値が140mg/dL以上
HDL コレステロール(善玉コレステロール)値が40mg/dL未満
中性脂肪が150mg/dL以上
で脂質異常症と診断します。
また、随時採血(空腹であることが確認できないとき)で中性脂肪が175mg/dL以上も脂質異常症と診断します。
また、合併症の頻度として多い甲状腺機能低下症や、ネフローゼ、糖尿病なども検査します。
脂質異常症の治療
(1)生活指導
脂質異常症では普段の生活習慣の改善が大事であります。
食事療法では以下の表を参考にして下さい。
高LDL血症では特に動物性脂肪の摂取を減らし、1日のコレステロール摂取量を200㎎/日未満を目指します。
中性脂肪値が高値の場合は、総カロリー摂取量を減らし、糖質やアルコールを減らすようにしましょう。
他、運動療法や、肥満の改善、禁煙、節酒なども大切です。
(2)薬物療法
当院でよく処方する薬は以下になります。
・HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬剤)
肝臓でのコレステロール合成を阻害し、LDLコレステロール値を20~50%、中性脂肪値を10~20%下げます。
ストロングタイプ:クレストール、リピトール、リバロ
スタンダードタイプ:リポバス、ローコール、メバロチン
・フィブラート系薬剤
中性脂肪値を30~40%下げ、HDLコレステロール値を35~45%増やします。
ベザトール、リピディル、トライコア、パルモディア